2015年3月6日金曜日

続けるということ

昨日は、秋田県の酒の会に行ってきました。
Next5 を筆頭として話題の多い県ですから、当然注目度も高く、
沢山の方がお見えになっていました。
私は業界関係者のきき酒会に行きましたが、
夜の楽しむ会も盛況だった様子ですね。

きき酒をして、話を聞いて、
それぞれの蔵元が、どんどん変化していることが
とても面白く感じられます。

昨年までは全然違うタイプの酒だったのに、
というような蔵もあります。
ラベルがすっかりと垢抜けてしまった蔵もあります。
それぞれに一生懸命努力されているのです。

あ~っ、やっぱりすごく好きだな、という酒もありました。
自分が密かに応援している蔵元が
良いパフォーマンスをしていると、
それは嬉しいものです。

酒は毎年変化し、蔵元の取り組みも毎年変化します。
だから毎年新しい発見がある。
今、ここの蔵元が面白いぞ、というものが必ずあります。

商売をする方々は、
酒販店にせよ、飲食店にせよ、
その新しい発見を商売に繋げて欲しいと思います。
自分が五感で感じた実感と、
自分が集めた様々な情報を、
自分のスタイルで商売に結びつけ、
自分の言葉で消費者に伝える。
ここにプロの心が在るのだと思うのです。

私は流行というものがあまり好きではありません。
これは、酒に限ったことでなく、
ファッションでも芸術でも良いのですが、
他人に踊らされている自分というものが、
どうも面白くありません。

多くの商売人たちは、
流行のものを必死に追いかけて、
売ろうとする。
それが、さらに流行を増幅させます。
別に悪いことではない、当然のことかもしれません。
一番合理的で短期的に利益を回収することができる手段ですから。

流行るものには、流行る理由があります。
ですから、流行の先端にのぼりつめる製造元の力は素晴らしいですし、
その商品をいち早く見つけ、商人として成功されるのは見事なことです。
やはり、プロとして働くからには、
そこを目指して努力し続けなくてはなりません。

でも流行に追いかけられるのはいやです。
あくまで追いかけるポジションに身を置きたい。
それが私の意固地です。

華やかな舞台で脚光を浴びなくても、
黙々と自分のなすべきことを信じて歩んでいる人々が、
私は好きです。
酒の世界には、そんな人が沢山います。
その人々を、
私は遠くから見守り続け、
見ているから頑張ってね、とエールを送り続けます。

飲みやすくてわかりやすい酒も良い。
魅力的な香りも良い。
複雑でどっしりとした酒も良い。
毎日飲んでも飽きない酒も良い。
本当に色んな魅力があるのです。
そして毎年の変化があるのです。

何かを続けるっていうことは難しいですね。
でも、続けることには価値があります。
製造者にせよ、販売者にせよ、
自分の求めるものを持ち、
求め続けている方は美しいと思います。
変化は、求め続けた結果であるべき。

私はフラットな心で、それを見続けていたいと思っています。

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