2013年2月28日木曜日

酒の売り場(プロの方へのお話)

震災以降、日本酒が上昇気流に乗っています。
きっかけになったのは、幸か不幸か震災です。
震災と南部美人の久慈浩介さんの You Tube でのアピールがきっかけになって、
世間の眼が日本酒に向いた。
応援したいという気持ちが東北に、日本に、日本文化に向いたのだと思います。

何事にもきっかけが必要です。
長年の地道な努力やアピールというものが、
きっかけを与えられて初めて生きてくる。

多くの若い造り手たちの努力や向上心も、
地元を巻き込んだ様々な社会活動も、
飲食店での普及活動も、
輸出拡大の市場努力も、
新しいジャンルのトライアルも、
技術交流も、
デザイン変革のトライアルも、
・・・

きっかけを得た日本酒が支持を得たのは、
しっかりと素地を作ってきたからに他なりません。
だから、今が大切な時です。
今、しっかりと消費者を惹きつけるための活動を、
すべての場面で行ってゆく気持ちが必要です。

地酒ブーム、吟醸酒ブームと言われた時期から、
日本酒は主に飲食店と口コミ、
そして一部の雑誌類を主たる媒体にしてきました。
「こんな酒知ってるか?」
というマニアを育てるマーケティングです。

だから、とかくエクストリームに走りがち。
極端な精米歩合とか、希少性。
流通の関心も、差別的で新しい銘柄の獲得に偏ってきました。
酒が嗜好品であることから、
こうした尖ったマーケティングは仕方ありません。
でも、
これで市場が育つか、拡大してゆくかとなると、
それは別問題だと思います。

一般の消費者は、驚くほど日本酒のことを知りません。
今、日本酒が伸びているといっても、
それは本当に小さな市場の出来事なのだと知らなくてはなりません。
私たちは、
お隣との競合に勝つことにのみ心を囚われているべきではなく、
新しい日本酒ファンを一人でも作ることに熱心であるべきです。
それこそ、まさに今私たちが行うべき事だと思います。

そのことを考えると、
酒と消費者の接点を、もっと広く求める姿勢が必要です。
広くというと、今の市場ではすぐに数の論理に持ち込まれ、
CVSをはじめとしたチェーンに眼が向くのですが、
そうではありません。
ひとつひとつの個の接点の質を、もっともっと皆で高めてゆこうと言いたいのです。

これまでの地酒マーケティングは、
あまりにも飲食店・口コミ・雑誌によるマニア市場に偏ってきました。
その結果、消費者との最大の接点であるべき売り場が、
かなりないがしろにされてきたと思います。

消費者がウキウキ・ワクワクするような、
そんな楽しくてオシャレな接点を作りましょう。
それは小売店だけにできることではありません。
生産者と流通と小売店が、
消費者に改めてしっかりと向き合い、
切磋琢磨して作り上げてゆくものです。

共に考えてゆきませんか?

2013年2月26日火曜日

磨かぬ酒

若手の蔵元の切磋琢磨が目立ちます。
若いからこそできる切磋琢磨。
欲得を越えた純粋な向上心というのでしょうか。

スティーブジョブズが亡くなって、
彼のスタンフォード大学でのスピーチを聴くのが日課になっているのですが、
彼は言っています。
「偉大な事業を成し遂げる唯一の道は、その仕事を愛すること。
そして自分が愛する仕事をしている限り、前に進み続けることができる。」

彼らの後ろ姿には、酒造りに対する愛欲を感じます。

最近目立ってきた若手たちの中でも、
私は新政の佐藤祐輔さんが気になって仕方ありません。
彼が世に問うている酒には、
軸があります。
ただやみくもに新しいモノを作っているのではなく、
目標とする点が感じられます。
その点は時間とともに変化するのかもしれませんが、
でも彼は、その時のベストを尽くして、
その点へ向かっている。
そんな生き方が感じられます。

 

新政は、全量純米化、添加物ゼロの藏になりました。
それを象徴する取組みが、この「純米酒90」だと思います。
低精白の酒を造ることは誰でもできますが、
この酒には、びっくりしました。
革命的と言ってもいい。
90%の精米歩合で、こんな純米酒を造ることができたら、
業界は大きく変わるだろうと思います。

ご本人のブログによれば、
問題は安定してこの酒質を確保することのようです。
まだバラツキがあるのでしょう。
でも、
ひとつの醪でも、こんな酒ができるのだとしたら、
 未来は明るい。

磨かぬ純米酒への取組みが、
共感を呼び、
新たな切磋琢磨に繋がることは間違いないでしょう。
頑張って欲しい。
そう思います。

2013年2月24日日曜日

寺田本家の酒造り

「五人娘」の寺田本家を訪ねました。
下総神崎に行くのは、先月の「全国発酵食品サミット」につづいて2回目。
千葉といっても、
阿佐ヶ谷からは2時間半以上かかります。
でも、どうしても一度見ておきたい藏でした。

寺田本家は、自然派の蔵元としてはカリスマ的な存在で、
マクロビ、天然酵母食品、発酵食品など、
あらゆる自然派のライフスタイルを指向する消費層に、
圧倒的な支持を集める蔵元です。

自然派のイメージって、
とてもオシャレなのですが、
少々頭でっかちで、頑固で、排他的といった
ややマイナスなイメージもあります。
だから、
私は酒もさることながら、
人に興味がありました。
一体どんな人が集まっているのだろう。
どんな人が酒を造っているのだろう、と。

いや、驚きました。
それに、感銘を受けました。
軸を持った生き方をしているというのはこういうことなのでしょうか。
自然のなかで細菌の働く場を整えて、
元気に発酵してもらう。
同じ細菌の働きでも、「腐敗」でなく「発酵」に向かうよう、
すべてを整えるという軸です。

自然派食品というと、
無農薬・無化学肥料の農産物を中心としたイメージが強いですが、
この蔵元の軸は、もっと深いところにありました。
「発酵」が原点です。
自然な「発酵」こそ元気の源であり、
その働きを高めるために、
何の原料を、どのように用いるのか。
そこにすべての判断基準を持っています。

この観点から酒造りを見直すと、
最後は、その人の「生き方」に繋がってきます。
酒を造り、酒を飲んで貰うというプロセスは、
その人がどう生きるか、
その証であるように思えてきます。



「むすひ」という発芽玄米の酒を買って帰りました。
この酒は薄にごった黄金色をしています。
火落ち菌が検出されるといいます。
でも腐ってはいません。
この酒に寺田本家の究極があると思いました。
ここまで徹底すれば、
確かに身体に良いのではないかと、
誰でも思えてくると思います。

私をそのような気持ちにしてくれたのは、
藏人・社員さんたちの顔でした。
みんな、素晴らしくいい顔をしていました。
あんな素敵な笑顔に迎えられ、見送られたら、
誰でも気持ち良くならないわけがありません。

2013年2月21日木曜日

藤巻幸大さんの話

「カリスマバイヤー」として有名な藤巻幸大さんにセミナーの講師をお願いしました。
彼は伊勢丹をスタートとして、
主にファッションの業界で生きてこられた方ですが、
その後、その仕事ぶりと人間性を認められて、
福助の再建を任されたり、
セブン・アンド・アイの鈴木敏文さんの下で、
イトーヨーカ堂の衣料品部門の立て直しを任されたりされました。
その後、独立されてからは、
衣食住の様々な分野で、
縦横無尽の活躍をされており、
Web 上で100アイテム程度に絞り込んだ商品販売を行う「藤巻百貨店」は、
スタート一年足らずで、
すでに月間3千万円を越える売上をたたき出していると言います。




常に現場の第一線にいる感覚を失わない藤巻さんだからこそ、
生きる言葉があると思いました。

特に、酒の業界はおっとりしているので、
藤巻さんの持つスピード感も
大きな刺激になるのではないかと思いました。

テーマは、ずばり 「ブランディング」。
商品が売れるためのプロセスを、
藤巻さんの経験をもとに語ってもらいました。

内容を要約するのは困難ですが、
すべての解は
 ・モノ作り
 ・売り方
この2つに集約されるわけで、
そこに、徹底的に集中することしかないということでしょう。
但し、
現代の顧客の関心がどこにあるか、
顧客の心理と感性を掴むポイントがあるわけで、
そのポイントの順序を間違えてはいけないというのが肝かもしれません。

とても刺激的なお話でした。

2013年2月19日火曜日

貴醸酒がおもしろい!

貴醸酒とは、仕込みの一部に水の替わりに酒を使った、
一般に濃醇で甘い酒です。
昭和48年から造られてきた製法で、
それほど伝統的な製法とは言えません。
業界の人間でも、
聞いたことはあるけど、あまり口にする機会はありません。
それだけ、造っている蔵元が少ないということですね。
貴醸酒協会という団体があって、
そこに加盟していないと貴醸酒という名をつけることができないという事情もあるかもしれません。
ですから、
貴醸酒とは名付けていないけど、
貴醸酒の製法で造られた酒はあります。

いずれにしても、
決してメジャーな酒ではなかったし、
売れているという噂も、
あまり聞いたことがない。
ごく一部、マニアックな古酒として
世に出ている程度の酒です。

でも、私としては
にわかに注目度が高いジャンルになっています。
昨日ご紹介した滋賀の「笑四季」が、
マニア向けでない、
他の酒と同様に、
普通に飲めるジャンルの酒として世に出しました。
これは日本酒であって、日本酒でない、べんべん。

もうひとつ、
広島の「華鳩」という蔵元が
とてもユニークで美味しい貴醸酒を出しています。

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オーク樽に貯蔵した貴醸酒で、
酒の甘さとボディと芳醇ななめらかさに、
オーク樽の香りが実にマッチしています。
こういう生かし方があるのかと、
目からウロコの酒でした。

少し前までは、
甘口の酒が好き、なんて言えない雰囲気がありましたが、
今は、全然恥ずかしくありませんね。
それに、甘さは誰が味わっても、美味しい。

きっとこれから、
面白い貴醸酒がたくさん出て来るぞと、
私は密かに注目しています。

2013年2月18日月曜日

新しい流れの予感

最近は、デザインも品質も面白くなりました。

日本人の感性は棄てたもんじゃないというのは、
伝統芸術の素晴らしさを見れば一目瞭然なのですが、
なかなか目の当たりにすることは少ないので、
忘れかけていたのかもしれません。

最近、歌舞伎の重鎮が続けて二人亡くなりました。
歌舞伎を初めて見たのは、
ずっと大人になってからのことなのですが、
これはショックだったなぁ。
江戸の「粋」が詰まった、
すごいのひと言では言い尽くせぬ、
素晴らしい大衆芸能だと、
本当に感激しました。

歌舞伎に限らず、
絵画にせよ、華道・茶道にせよ、
料理にせよ、工芸品にせよ、
落語にせよ、浄瑠璃にせよ…

日本の伝統文化は、素晴らしい。

でも、伝統を担う人々が、
必ず口を揃えて言うのは、
「伝統とは変わること」
「伝統とは革新だ」
という台詞です。
変化こそが、不変の形を作ってゆく。
この逆説は、
でも、誰の腑にも落ちますね。

日本酒にも、
最近、大きな変化の波が押し寄せています。
若手を中心に、
どんどん新しいチャレンジが、確実に世の中を変えています。

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昨年とても驚いたこの酒は、
貴醸酒をアレンジしたのです。
La Mousson というネーミングからして、イカしてます。
こういう良い刺激が、
必ず次の革新を呼ぶに違いない。
飲んでびっくりし、
俺なら、もっとこうしたい…
と、思う人は、必ず沢山いるはずです。

私は、素晴らしいと思いました。
是非、頑張って欲しいですね。


















2013年2月15日金曜日

ドライな白ワインのような酒

清酒に携わってきた人たちは、
ほとんど思ってきたことでしょう。
「なんで日本酒って、ワインほどオシャレになれないんだろう?」

こんなに一生懸命なのに、
こんなに高い醸造技術で造っているのに。
できた酒をオシャレに飲んでもらえない。

多分、この問題は結構奥が深くて、
色んな要素が変化し、
様々な出来事が起こる必要があるのだろうと思います。
今、それを論ずるつもりもないし、答えを知っているわけでもありません。
でも、
これだけプライドを持って、頑張って造っているのだから、
必ずオシャレに飲んでもらえるようにするぞ、
という強い気持ちを持った人たちがいれば、
いつか遠くない日に、
とてつもなくオシャレな日本酒が出て来るに違いないと
私は信じています。

日常生活に、ワインは随分溶け込んできました。
例えば、こんなシーンが想像できます。
天気の良い昼下がり、
早めに仕事から帰ってきた女性が、
冷蔵庫から良く冷えた飲みかけの白ワインボトルを取り出し、
ワイングラスに注いでキッチンカウンターに置く。
郵便物をチェックしたり、
雑誌をめくったりしながら、ひとくち飲む。

ごく自然だし、都会的な風景ですよね。
「アニーホール」でダイアンキートンとウディアレンが演じた昼下がりのシーンに重なります。

日本酒も、こんな飲まれ方をして欲しいなと思います。
そのためには、
とかくもっちりとした味わいや
麹くさい香りは、あまり似合わない。
高いアルコール度数もいまいち。

地酒専門店 新井屋酒店 BLOG-穏 Virgin road 純米吟醸生詰

そんなとき、白麹の酒に出会いました。
白麹の酒は、黄麹の酒に比べて、
多量のクエン酸を含んでいます。
レモンなどの果実に多く含まれるクエン酸は、
通常の清酒に含まれる乳酸やコハク酸などの酸に比べて、
すっきりとシャープな味わいを持っています。
温度も、キリリと冷やして美味しく味わえます。
まさに、ドライな白ワインのような酒。

この酒は、
日本酒の飲まれるシーンを、
大きく変える可能性を持っているのではないかな、と
かなり期待をしています。

2013年2月14日木曜日

僕がお燗酒を好きになったわけ 其の参

昨晩は、35年振りに再会した友人と飲みました。
高校2年の夏にアメリカにホームステイした時の仲間です。
ずっと何のお付き合いもせず、
それぞれの道を歩んでいたのですが、
Facebook ってすごいですね。
「S君って、ひょっとして Mission Viejo のS君?」
というメッセージをある日受け取って、
昨晩に至ったわけ。

お互い、少し薄くなった頭髪の話題は避けつつ、
楽しい身の上話の時間を過ごしました。
損得のない友達っていいですね。

彼も酒が好きだと言うので、
私の大好きなお店に行きました。
阿佐ヶ谷スターロードの奥にある
小さなお店です。
おいしいお燗酒を飲ませてくれます。

どこがおいしいかというと、
まず湯煎。
お好みの温度に仕上げてくれます。
趣味の良い器。
これだけでも、だいぶ気分が違いますね。
一杯目は、
「おつかれさま」 と注いでくれる、ちょっとした心遣い。
やっぱり嬉しいですよね。
料理はもちろんのこと。
それよりも、
お客層をふくめたお店の雰囲気というのかな。
ゆるーく、リラックスした雰囲気に、
ひとりでもボーっと浸れるお店です。

燗酒屋 - 料理写真:

ひとり飲みの薦め みたいな本を読んだとき、
大切なのは、
銭湯に行ったような気分と書いてあったのを覚えています。
さながらお風呂に入った気分で、
ゆっくりとリラックスして、その場を楽しむ。
この店では、
自然にそのように楽しんでいる自分を見つけます。

飲むのは、最初からお燗酒。
2~3本が適量と思っていますが、
友人と飲んでいると、
さすがに越えてしまいました。
仕方ないね。























2013年2月13日水曜日

僕がお燗酒を好きになったわけ 其の弐

ずばり、「おでん」です。

もう20年くらい前のことになるでしょうか。
久しぶりに会う友人と飲もうということになって、
折角だからおいしいものを食べたいな、と
前から気になっていた浅草の老舗おでん屋さんに行きました。

寒い冬の日で、
ぶるぶる震えながらも、
外に並ぶ列に混じって小一時間。
ようやく中に入ると、
鍋の前に立つおやじさんの笑顔に迎えられました。

お店とすると、
もうこの段階で「勝負あった」というところですか。
ポジティブな心構えは整っています。
あとは何が出てきても美味しく感じるはず。

でてきた関西風おでんの、
肩の張らぬやさしいおいしさ。
しっかり味のしみたタコのやわらかさ。
何も特別なものでないから、
古い友人との気楽な会話の邪魔もせず、
そっと寄り添ってくれました。

大多福 - 料理写真:

おでんには、どうしてこんなにお燗酒が合うのだろう。
びっくりするくらいにお酒がすいすいと、
身体にしみこんでゆきました。
初めての体験で、
びっくりしたのを、昨日のように思い出します。

鰻にしてもおでんにしても、
醤油と魚のうまみをベースにした味です。
そして、味付けには酒も入っているのでしょう。
そして、暖かい料理。

ワインと料理の相性に、
「似たものは溶かす」という言葉を聞いたことがあります。
難しい理屈は抜きにして、
まず似たもの同士は相性が良い。

この浅草のおでん屋さんでの体験が、
私にとってお燗酒の入口になったことは、
多分間違いないと思うのです。

2013年2月12日火曜日

僕がお燗酒を好きになったわけ

別に昔からお燗酒を飲んでいたわけではありません。
むしろ、あまり好きではなかった。
というよりは、良くわからなかったというところでしょうか。
酒を飲み始めた頃は、
お燗酒といって年上の人たちが飲んでいる酒を飲んでも、
何の感動もありませんでした。
何のためにこの酒を飲んでいるのか、
どうしていつもお燗酒でなくちゃならないのか、
てんでピンとこなかった。

当然、ワインを美味しいと思い、面白いと思い、
日本酒だったら、「吟醸酒ならまぁいいか」と感じていました。

ごく普通の感じ方だと思います。
普通に現代の食事で育ってきたら、
お燗酒なんか、なくてもよい。
飲むべき場面もないし、
飲まなきゃならない理由もない。

川勢 - 料理写真:(たぶん)左手から、ヒレ焼、きも焼、レバ焼。

でも、この料理に出会って変わりました。
中央線沿線に引っ越して、
この店に入って、
あぁ、もうワインなんかいらない、
吟醸酒なんていらないと、
身体が覚えてしまいました。

ひとり、店のカウンターに座って、
グラスに注がれる熱めの両関。
これでいいんです。
他のお客さんやマスターと話をするのもいいけど、
別に話をしなくても、
ほどよく焼けたヒレ、肝、レバー。
それから串巻き、短冊に八幡。
これに山椒をしっかりと振って食べます。

何て幸せ。
まるでお風呂屋さんで湯船につかっているような、
そんな居心地の良さとほろ酔い加減。
こういう店を名店と言わずに何と言う。

というわけで、
私はすっかり洗脳され、
月に一度は禁断症状とともに、
この店の鰻と燗酒を楽しみに通い続けているのです。