震災以降、日本酒が上昇気流に乗っています。
きっかけになったのは、幸か不幸か震災です。
震災と南部美人の久慈浩介さんの You Tube でのアピールがきっかけになって、
世間の眼が日本酒に向いた。
応援したいという気持ちが東北に、日本に、日本文化に向いたのだと思います。
何事にもきっかけが必要です。
長年の地道な努力やアピールというものが、
きっかけを与えられて初めて生きてくる。
多くの若い造り手たちの努力や向上心も、
地元を巻き込んだ様々な社会活動も、
飲食店での普及活動も、
輸出拡大の市場努力も、
新しいジャンルのトライアルも、
技術交流も、
デザイン変革のトライアルも、
・・・
きっかけを得た日本酒が支持を得たのは、
しっかりと素地を作ってきたからに他なりません。
だから、今が大切な時です。
今、しっかりと消費者を惹きつけるための活動を、
すべての場面で行ってゆく気持ちが必要です。
地酒ブーム、吟醸酒ブームと言われた時期から、
日本酒は主に飲食店と口コミ、
そして一部の雑誌類を主たる媒体にしてきました。
「こんな酒知ってるか?」
というマニアを育てるマーケティングです。
だから、とかくエクストリームに走りがち。
極端な精米歩合とか、希少性。
流通の関心も、差別的で新しい銘柄の獲得に偏ってきました。
酒が嗜好品であることから、
こうした尖ったマーケティングは仕方ありません。
でも、
これで市場が育つか、拡大してゆくかとなると、
それは別問題だと思います。
一般の消費者は、驚くほど日本酒のことを知りません。
今、日本酒が伸びているといっても、
それは本当に小さな市場の出来事なのだと知らなくてはなりません。
私たちは、
お隣との競合に勝つことにのみ心を囚われているべきではなく、
新しい日本酒ファンを一人でも作ることに熱心であるべきです。
それこそ、まさに今私たちが行うべき事だと思います。
そのことを考えると、
酒と消費者の接点を、もっと広く求める姿勢が必要です。
広くというと、今の市場ではすぐに数の論理に持ち込まれ、
CVSをはじめとしたチェーンに眼が向くのですが、
そうではありません。
ひとつひとつの個の接点の質を、もっともっと皆で高めてゆこうと言いたいのです。
これまでの地酒マーケティングは、
あまりにも飲食店・口コミ・雑誌によるマニア市場に偏ってきました。
その結果、消費者との最大の接点であるべき売り場が、
かなりないがしろにされてきたと思います。
消費者がウキウキ・ワクワクするような、
そんな楽しくてオシャレな接点を作りましょう。
それは小売店だけにできることではありません。
生産者と流通と小売店が、
消費者に改めてしっかりと向き合い、
切磋琢磨して作り上げてゆくものです。
共に考えてゆきませんか?
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