下総神崎に行くのは、先月の「全国発酵食品サミット」につづいて2回目。
千葉といっても、
阿佐ヶ谷からは2時間半以上かかります。
でも、どうしても一度見ておきたい藏でした。
寺田本家は、自然派の蔵元としてはカリスマ的な存在で、
マクロビ、天然酵母食品、発酵食品など、
あらゆる自然派のライフスタイルを指向する消費層に、
圧倒的な支持を集める蔵元です。
自然派のイメージって、
とてもオシャレなのですが、
少々頭でっかちで、頑固で、排他的といった
ややマイナスなイメージもあります。
だから、
私は酒もさることながら、
人に興味がありました。
一体どんな人が集まっているのだろう。
どんな人が酒を造っているのだろう、と。
いや、驚きました。
それに、感銘を受けました。
軸を持った生き方をしているというのはこういうことなのでしょうか。
自然のなかで細菌の働く場を整えて、
元気に発酵してもらう。
同じ細菌の働きでも、「腐敗」でなく「発酵」に向かうよう、
すべてを整えるという軸です。
自然派食品というと、
無農薬・無化学肥料の農産物を中心としたイメージが強いですが、
この蔵元の軸は、もっと深いところにありました。
「発酵」が原点です。
自然な「発酵」こそ元気の源であり、
その働きを高めるために、
何の原料を、どのように用いるのか。
そこにすべての判断基準を持っています。
この観点から酒造りを見直すと、
最後は、その人の「生き方」に繋がってきます。
酒を造り、酒を飲んで貰うというプロセスは、
その人がどう生きるか、
その証であるように思えてきます。

「むすひ」という発芽玄米の酒を買って帰りました。
この酒は薄にごった黄金色をしています。
火落ち菌が検出されるといいます。
でも腐ってはいません。
この酒に寺田本家の究極があると思いました。
ここまで徹底すれば、
確かに身体に良いのではないかと、
誰でも思えてくると思います。
私をそのような気持ちにしてくれたのは、
藏人・社員さんたちの顔でした。
みんな、素晴らしくいい顔をしていました。
あんな素敵な笑顔に迎えられ、見送られたら、
誰でも気持ち良くならないわけがありません。
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