2013年2月15日金曜日

ドライな白ワインのような酒

清酒に携わってきた人たちは、
ほとんど思ってきたことでしょう。
「なんで日本酒って、ワインほどオシャレになれないんだろう?」

こんなに一生懸命なのに、
こんなに高い醸造技術で造っているのに。
できた酒をオシャレに飲んでもらえない。

多分、この問題は結構奥が深くて、
色んな要素が変化し、
様々な出来事が起こる必要があるのだろうと思います。
今、それを論ずるつもりもないし、答えを知っているわけでもありません。
でも、
これだけプライドを持って、頑張って造っているのだから、
必ずオシャレに飲んでもらえるようにするぞ、
という強い気持ちを持った人たちがいれば、
いつか遠くない日に、
とてつもなくオシャレな日本酒が出て来るに違いないと
私は信じています。

日常生活に、ワインは随分溶け込んできました。
例えば、こんなシーンが想像できます。
天気の良い昼下がり、
早めに仕事から帰ってきた女性が、
冷蔵庫から良く冷えた飲みかけの白ワインボトルを取り出し、
ワイングラスに注いでキッチンカウンターに置く。
郵便物をチェックしたり、
雑誌をめくったりしながら、ひとくち飲む。

ごく自然だし、都会的な風景ですよね。
「アニーホール」でダイアンキートンとウディアレンが演じた昼下がりのシーンに重なります。

日本酒も、こんな飲まれ方をして欲しいなと思います。
そのためには、
とかくもっちりとした味わいや
麹くさい香りは、あまり似合わない。
高いアルコール度数もいまいち。

地酒専門店 新井屋酒店 BLOG-穏 Virgin road 純米吟醸生詰

そんなとき、白麹の酒に出会いました。
白麹の酒は、黄麹の酒に比べて、
多量のクエン酸を含んでいます。
レモンなどの果実に多く含まれるクエン酸は、
通常の清酒に含まれる乳酸やコハク酸などの酸に比べて、
すっきりとシャープな味わいを持っています。
温度も、キリリと冷やして美味しく味わえます。
まさに、ドライな白ワインのような酒。

この酒は、
日本酒の飲まれるシーンを、
大きく変える可能性を持っているのではないかな、と
かなり期待をしています。

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