いわゆる藏開きというイベントですが、
この藏のイベントはそんなレベルではありません。
千葉県で一番小さい町、
人口6,000人の町に、
この日は3万人もの人が訪れるのです。
考えられない集客力です。
その秘密を見つけに行ってきました。
その日は、JRも特別列車が走ります。
私は、エコツーリズムの旅行者が主催するツアーに参加。
大型バス3台が満員の盛況でした。
朝の8時前に新宿に集合、
10時に神崎の町に到着。
15時半の出発まで存分に楽しんで下さいというツアーです。
参加者の7割以上は女性。
バスの中の自己紹介では、
「天然酵母パンに興味があって」
「麹を使ったコスメに挑戦したい」
「手造り豆腐が最高に美味しいと聞いています」
など、
複数回のリピーターの話から情報収集に余念がありません。
神崎の寺田本家がある通りと鍋店(仁勇)がある通りは、
歩行者天国になっていて、
屋台が所狭しと並んでいます。
屋台といっても、夜店の屋台とは全然違うのです。
麹を使ったクッキーだとか、
酒粕から取った酵母で作ったパンだとか、
漬け物、味噌につきたての杵つき餅。
お好みの具で、その場で握ってくれるおにぎり。
様々なバリエーションの甘酒…
「発酵の里神崎」というキャッチフレーズに引き寄せられて、
全国から、自然派の変わり者たちが、
手間を惜しまずに参加しているのです。
前菜からデザート・コーヒーまで、
何でも揃っています。
この屋台だけでも充分に楽しい。
そして、
寺田本家の藏の中では、
相変わらず藏人達が満面の笑顔でお客様の接待をしていました。
「これで悪い気持ちになる人はいないよ。」
「こんなイベント、他にないもん。」
参加者から聞こえてくる声です。
ここの藏を見ていると、
酒って何なのだろうと考えさせられます。
うまい・まずい、良い出来・悪い出来、と
品質を細かく評価することが、
何となく小さなものに思えてくるのです。
それよりも、
酒って人間にとってどうして必要なんだろう。
酒を生活にどうやって生かしていけば良いのだろう。
という、そもそも論を考えてしまいます。
すべての基本は「健康」。
健全に生きるための役に立つ仕事なのだと信じることができれば、
仕事は楽しい。
楽しい仕事なら頑張れる。
そんな良い循環を、
また、思わされた一日でした。

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