数字は右上がりを示しています。
でも、何か不安な気持ち。
本当にこのままで良いのだろうか。
今、元気がいいのは一部の蔵元、一部の流通、一部の飲食店です。
売れている商品は季節品、限定商品、新商品。
要するに、目まぐるしく目先を変えた商売をして、
消費者に、常に新しい商品を提供し続ける店が繁盛しています。
これが飲食店市場の実態。
確かに、震災のあと、
日本人の目が「東北」に向き、「Made in Japan」に向き、
日本の伝統文化としての酒に需要が流れ出しました。
この波は貴重です。
この小さな波に、しっかりと乗って、
大きな波に育ててゆかなくてはなりません。
だって、
未来に良い材料はあまり転がっていません。
アルコール消費は低下するでしょう。
社会的にもアルコールは歓迎されなくなる。
だから文化として根付かせなくては、
市場を守ることすら難しいかもしれないのです。
良い芽も沢山出ています。
新しい造り手たちです。
若い彼らの柔軟な感性から繰り出される、
新しいタイプの酒、
飲み方、スタイル。
素晴らしいな、と素直に思います。
どこかに時代の風穴が開くかもしれない。
でも、それを待っているわけにはいきません。
市場のどこに目を向けて、
どこをどのようにすることが、
将来の日本酒の市場が健全に成長するために必要なのか。
流れに身を任せていてはいけないのです。
商品と市場の接点を作る作業。
これは永遠の課題です。
私は、こう思います。
日本酒の業界は料飲店を中心としたマニア市場に目を向けすぎてきた。
メディアもそれを煽った。
だから、とても尖った先進的な市場があるにも関わらず、
一般大衆は、いつも蚊帳の外。
日本酒については、「いの字」も知らない。
たまに飲んで美味しいと思っても、
いつまでたっても身近な存在にならない。
大衆が支持しないから、
商品も売場もサービスも磨かれず、
何も動きはじめない。
私たちは、
もう一度、一般大衆をターゲットにすべきだと思います。
誰にでもわかり、手が届く世界を作って、
いつでも手に入れることができるように。
その起点は、売場だと思います。
もっと、消費者にわかりやすく、
手に届く優秀な売場を作らなくてはなりません。
数が足りない。

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